MUSE | 巨人と王者の対決!Walmart+がAmazon Primeを凌駕する「実店舗という最強の武器」
- 本間 充/マーケティングサイエンスラボ所長

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このコマーシャルの特徴
このCMは、俳優ウォルトン・ゴギンズ(Walton Goggins)のカリスマ的なパフォーマンスを通じて、Walmartが単なる「安売りスーパー」から、5億点以上の商品を扱う「総合ライフスタイル・プラットフォーム」へと進化したことを宣言しています。2026年現在、Walmartは『実店舗の網羅性』を武器にAmazon Primeを猛追。かつてのイメージを覆すべく、Fenderのギターや高級美容品といった意外なラインナップを「Who knew?(誰が知ってた?)」というキャッチフレーズで強調しています。ユーザーの推薦理由にもある通り、物流のラストワンマイル競争においてWalmart+がいかに優位に立っているか、その自信が漲る映像となっています。
英語スクリプト(文字起こし)
0:00: With over half a billion items on the Walmart app, you might be surprised by what you can do.
0:05: I call this little routine "Fire and Ice."
0:08: Guitars by Fender? Who knew?
0:11: Get these guys a contract!
0:13: Jeff knew. Now this girl-dad's flying incredibly close to the sun.
0:17: This has great texture.
0:19: Go off, Dad.
0:20: Adorable.
0:21: He knew. New patio.
0:23: She knew. Cool outfit.
0:25: And knowing is a beautiful thing.
0:27: Who knew?
0:29: The Walmart you thought you knew is now new. Walmart.
日本語スクリプト
0:00: ウォルマート・アプリには5億点以上のアイテムがあるんだ。できることの多さに驚くかもね。
0:05: 私はこの日課を「火と氷」と呼んでいるんだ。
0:08: フェンダーのギターまで? 誰が知ってた?
0:11: 彼女たちと契約しなよ(最高だね)!
0:13: ジェフは知っていた。今やこの「娘大好きパパ」は、太陽に異常なほど近づいている(絶好調だ)。
0:17: これ、質感が最高だね。
0:19: パパ、いい感じだよ。
0:20: 愛おしいね。
0:21: 彼も知っていた。新しいパティオだ。
0:23: 彼女も知っていた。クールなアウトフィットだね。
0:25: そして「知っている」ということは、素晴らしいことだ。
0:27: 誰が知ってた?
0:29: 君が知っていたつもりのウォルマートは、今や新しくなったんだ。ウォルマート。
英会話TIPS(Speaking English)
【Who knew?】
「誰がそんなことを知っていただろうか?(いや、誰も知らなかった)」という反語的な表現で、「意外だ!」「驚きだ!」という意味で使われます。意外な事実や商品のラインナップを紹介する時に非常に効果的なフレーズです。
例文
Walmart sells designer hand bags now. Who knew?
訳: ウォルマートでデザイナーズバッグを売ってるんだって。意外だよね?

【Girl-dad】
娘を溺愛し、娘との時間を大切にする父親を指す比較的新しい言葉です。バスケットボール選手のコービー・ブライアントが使ったことで広まり、ポジティブな父親像として定着しています。
例文
He's a proud girl-dad who spends every weekend at ballet practice.
訳: 彼は誇り高き「娘大好きパパ」で、毎週末バレエの練習に付き添っています。
【Go off】
Z世代の間で使われるスラングで、誰かが何かを上手くやっている時や、情熱的に自己表現している時に「いいね!」「かましてやれ!」「最高!」と応援するニュアンスで使われます。
例文
You look amazing in that dress! Go off!
訳: そのドレス、めちゃくちゃ似合ってるよ!最高!
このコマーシャルのマーケティング分析(Marketing Understanding)
現在のこのブランドの状況
2026年、Walmartは単なる小売チェーンからテクノロジーと物理拠点を融合させた「生活インフラ」へと脱皮しました。Amazon Primeの年会費値上げ(139ドル)に対し、Walmart+は98ドルという価格優位性を維持しつつ、全米人口の90%が10マイル以内に住むという実店舗網をフル活用した配送スピードでAmazonを圧倒し始めています。特に生鮮食品のデリバリーと、燃料割引やバーガーキング特典といった「生活密着型」の特典が評価されています。
このコマーシャルのターゲット
「Walmartは安いけれど、品質やブランド力はそこそこ」と考えていたミレニアル世代やGen Xのファミリー層が主なターゲットです。特に、趣味(ギター)や美容(アイパッチ)、ファッションにこだわりを持つ一方で、物価高の中で賢く節約したい「価値重視(Value-conscious)」な消費者層を狙っています。

このコマーシャルで行いたいマーケティング戦略
最大の目的は「ブランド・リポジショニング」です。「The Walmart you thought you knew is now new」というセリフが象徴するように、5億点以上のアイテム(Fenderなどの一流ブランド含む)をアプリ一つで購入できる利便性と意外性を訴求しています。「何でも揃うのはAmazon」という消費者の第一想起(Top of Mind)を、Walmartへと塗り替える戦略です。
その他、特筆すべきマーケティング的特徴
インフルエンサー的なカリスマ性を持つウォルトン・ゴギンズを起用し、コミカルかつスタイリッシュなトーンを採用することで、Walmart特有の「泥臭さ」を払拭しています。また、動画内でスマホ画面の「Add to cart」を強調し、ECとしての使いやすさを視覚的に刷り込んでいます。実店舗での「Scan & Go」体験による時短効果も、背景にある重要な価値提案となっています。

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