Geminiと作る「今日の何の日」ボット開発記:日曜プログラマーがAIで画像生成からインスタ自動投稿まで実現した話
- 本間 充/マーケティングサイエンスラボ所長
- 6 日前
- 読了時間: 5分
はじめに:「日曜プログラマー」のアイデアが動き出すまで
こんにちは!普段は全く違う仕事をしている、週末だけの「日曜プログラマー」です。
突然ですが、「『今日の何の日』みたいな情報を、毎日自動でSNSに投稿できたら面白いだろうな」と思ったことはありませんか?私はありました。ただ、アイデアはあっても、毎日その日の記念日を調べて、それに合った画像を用意して、SNSに投稿して…と考えると、正直なところ「面倒くさい」が勝ってしまいますよね。

しかし、最近話題のGoogleのAI、Geminiと話しているうちに、「これ、AIと一緒なら実現できるかも?」と思い立ちました。この記事は、そんな私のようなプログラミング初心者でも、AIと相談しながら「今日の何の日」を画像付きでInstagramに自動投稿するボットを開発するまでの、ワクワクと試行錯誤の記録です。
GoogleのAIを使えば、誰でも「画家」になれる時代
まず最初の関門は「画像」です。毎日、その日の記念日に合った画像を探してくるのは、著作権の問題もあって非常に大変です。そこで、Geminiに相談してみました。
「記念日の内容を伝えたら、それに合った画像をAIに作ってもらうことってできる?」
答えは「もちろんできますよ!」でした。提案されたのは、Google CloudのVertex AIというサービスを使う方法。なんだか難しそうに聞こえますが、Geminiが教えてくれたGAS(Google Apps Script)のコードは、まるでAIにお願い事をしているような感覚でした。
例えば、「スイカの日」という記念日の情報をスプレッドシートから読み込むと、スクリプトが自動で「『スイカの日』をテーマにした美しい水彩画を生成してください」という指示(プロンプト)をAIに送ってくれるのです。
驚いたのは、ただ画像を生成するだけでなく、より賢い工夫もできたことです。
「『スイカの日』って、ただスイカの絵を描くだけじゃなくて、その背景もAIに調べさせた上で、もっと情緒ある絵にできないかな?」こんな相談にも、Geminiはすぐに改良案をくれました。まずテキスト生成AIのGeminiが「スイカの日の由来や、夏の縁側で家族が楽しむ情景」といった背景を調べ、その結果を今度は画像生成AIのImagenに渡してイラストを描かせる、というAI同士の連携です。
結果、数秒で生成されたのは、単なるスイカの絵ではなく、「日本の夏」を感じさせる、物語のある一枚でした。GoogleのAIを使えば、私たち日曜プログラマーでも、まるで専属の画家に依頼するように、毎日新しいアートを生み出せるのです。これは本当に感動的な体験でした。
GASプログラミングで、面倒な「毎日」を自動化する
さて、素敵な画像が毎日自動で生まれる仕組みができました。次の課題は、これをInstagramに自動で投稿することです。これもまた、GASの得意分野でした。
Instagramへの投稿は、Facebook(Meta社)が提供するAPIという仕組みを使う必要があります。これも初心者には少しハードルが高いのですが、Geminiはここでも最高の相棒になってくれました。
「この画像を、この文章と一緒にインスタに投稿したいんだけど、どうすればいい?」
この質問に対して、Geminiは必要な手順を一つずつ分解して教えてくれました。
画像を一時的にGoogle Cloud Storageにアップロードする
InstagramのAPIに「この画像のURLと、この文章で投稿してください」とお願いする
投稿が完了したら、スプレッドシートに「投稿済み」の印をつける
GASで、Vertex AIに指示しているプログラムの一部
これらの処理を行うためのGASコードを書いてもらい、自分のアカウント情報を設定するだけで、魔法のように自動投稿の仕組みが完成しました。毎日決まった時間に、AIが生成した画像を、AIが考えた文章(今回は固定ですが、それも可能)と共に投稿してくれるのです。
この開発で一番大変だったのは、実はプログラミングそのものではなく、Google CloudやInstagramの様々なサービスを繋ぎ合わせるための「権限設定」でした。しかし、エラーメッセージをそのままGeminiに貼り付けて「こんなエラーが出たんだけど、どういう意味?」と聞けば、まるでベテランのエンジニアが隣にいるかのように、的確な解決策を教えてくれました。
結論:AIは、プログラミングの「最高の相棒」だった
今回のプロジェクトを通して、私が実感したことは3つあります。
GoogleのAIによる画像生成は、本当に簡単で楽しい。 アイデアさえあれば、誰でもクリエイターになれます。
GASは、こうしたAIサービスとSNSを繋ぐ「接着剤」として最強。 日々の面倒な作業を自動化するのに、これほど便利なツールはありません。
そして何より、Geminiと相談しながら進めることで、これらすべてが実現可能になるということです。
プログラミングは、時にエラーとの孤独な戦いになりがちです。しかし、GeminiのようなAIがいれば、その戦いは「二人三脚の協力プレイ」に変わります。エラーで詰まった時も、「どうしてだろう?」と悩む代わりに、「ねぇ、これどう思う?」と相談できる相手がいる。この心理的な安心感が、私のような日曜プログラマーが最後までプロジェクトを完成させる上で、何より大きな助けとなりました。
もしあなたが「何か作ってみたいけど、自分には無理かも」と思っているなら、ぜひ一度、隣にいるAIに話しかけてみてください。きっと、あなたのアイデアを実現するための、最高の相棒になってくれるはずです。
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