コトラーのMarkting6.0読みましたか?
コトラーのMarketing x.0シリーズの、6.0が、2023年12月に発売されています。正式な本のタイトルは、「Marketing 6.0: The Future Is Immersive」(Philip Kotler , Hermawan Kartajaya , Iwan Setiawan ) です。
実は、私もここ暫く、AIとマーケティングの関係について、勉強していたので、この本を読むのを先送りにしてたのですが、ようやく読みました。
今回の「Marketing 6.0: The Future Is Immersive」では、今まで以上に最新技術によるマーケティングで行うべき対応。消費を今後牽引する、Generation Z とGeneration Alphaの研究が多くなっています。
Generation Zとは
さて、Generation Zとは、マーケティングで、何度も出てきた言葉ですが、少し振り返ってみましょう。
出生年 1997年~2012年
特徴
デジタルネイティブ: インターネットやスマートフォンが生活に深く根付いている世代。
情報過多: 膨大な情報に囲まれており、批判的思考力と情報選別能力が高い。
社会意識が高い: 環境問題、人権問題など、社会的な課題に関心を持つ。
個性重視: 自分らしさを表現することに価値を置く。
リアルとデジタルの融合: オンラインとオフラインの境界線が曖昧。
そう、Generation Zは、生まれながらに、デジタルがある世代で、私のようなリアルなお店で買い物などのリアルな体型よりも、デジタル空間での体験を身近で、普通に思う世代かもしれません。
例えば、2023年に公開された、映画「グランツーリスモ」は、その事例の一つかもしれません。
ゲーム「グランツーリスモ」のプレイヤーが、実際にプロのレイシング・ドライバーになるのです。つまり、この例では、デジタル空間でレースの体験を行った人が、後にリアルな体験をする。このようなことが、Generation Zでは、普通に起こるかもしれません。
さらに、デジタル化したGeneration Alpha
そして、さらに現在は、Generation Alphaが、生まれ、成長しています。
出生年 2013年~現在
特徴
デジタルネイティブ: より高度なテクノロジーに親しみ、AIやVRなど、新しい技術を自然に受け入れる。
コミュニケーション重視: オンラインコミュニケーションを重視し、リアルタイムで情報交換を行う。
ビジュアル思考: 画像や動画を重視し、テキストよりも視覚的な情報に親しみやすい。
グローバル意識: 世界の文化や多様性を受け入れ、国際的な視野を持つ。
まだ、このGeneration Alphaは、成長途中ですが、Generation Z以上に、デジタル技術にフレンドリーになっています。つまり、少しラフに言えば、これからのマーケティングの対象者であるお客様は、どんどんデジタルネイティブなるのです。
THE FUTURE IS IMMERSIVE
「Marketing 6.0: The Future Is Immersive」は、本の副題に、"The Future ins Immersive"とあります。そして、"Metaverse"についての言及も多くなっています。今まで、マーケティングの書籍で、"Metaverse"について整理された本は、ほとんどありませんでした。Metaverseの研究、勉強をしている方には、この「Marketing 6.0: The Future Is Immersive」は、とても参考になるでしょう。
実際に、AR/VR/MRをマーケティングに使っている事例は、増えています。まず、それぞれの言葉の定義をすると以下のようになるでしょうか?
AR(拡張現実、Augmented Reality)
イメージ: スマホゲーム「ポケモンGO」
説明: 現実世界にデジタル情報を重ねて表示する技術。スマホのカメラを通して、ポケモンが現れたり、家具を部屋に配置して試せるようにしたりできます。
VR(仮想現実、Virtual Reality)
イメージ: VRゴーグルでゲームや映画を楽しむ
説明: 専用のヘッドセットを装着して、コンピューターで作り出した仮想世界に没頭できる技術。まるでゲームの世界に実際にいるような感覚になります。
MR(複合現実、Mixed Reality)
イメージ: ARとVRを組み合わせた技術
説明: 現実世界と仮想世界をリアルタイムで重ね合わせ、相互に作用させる技術。ARのように現実世界にデジタル情報を重ねるだけでなく、仮想オブジェクトを操作したり、現実世界と仮想世界が相互に影響し合う体験ができます。
そして、具体的な例としては、以下のようなものがあります。
1. IKEA「IKEA Place」アプリ
概要: IKEAのARアプリ「IKEA Place」は、ユーザーがスマートフォンで家具を部屋に配置して試せるAR体験を提供します。
効果:
購入意欲の向上: 実際に部屋に家具を配置することで、イメージが湧きやすく、購入意欲を高めます。
顧客エンゲージメントの向上: インタラクティブな体験を通じて、IKEAブランドへの関心を高め、エンゲージメントを向上させます。
2. Nike「Nike By You」
概要: Nikeのオンラインサービス「Nike By You」は、ユーザーが自分の好きな色やデザインでシューズやアパレルをカスタマイズできるサービスです。
効果:
パーソナライズ化: ユーザーの個性を表現できる体験を提供することで、ブランドへの愛着を高めます。
顧客ロイヤルティの向上: 自分だけの特別なアイテムを手に入れることで、顧客ロイヤルティを高めます。
3. Netflix「Stranger Things」キャンペーン
概要: Netflixのドラマ「Stranger Things」のキャンペーンでは、ARフィルターやバーチャルリアリティ体験を提供し、視聴者を物語の世界に引き込みました。
効果:
話題性: ユニークな体験を通じて、キャンペーンを話題化し、視聴者の関心を集めました。
ブランドイメージの向上: エンターテイメント性と革新性を示すことで、ブランドイメージを向上させました。
4. Gucci「Gucci Garden」
概要: Gucciが運営するバーチャル空間「Gucci Garden」は、ユーザーがGucciの歴史やコレクションを体験できるVR空間です。
効果:
ブランド体験の提供: バーチャル空間を通じて、Gucciブランドの世界観を体験できる機会を提供します。
顧客エンゲージメントの向上: インタラクティブな体験を通じて、顧客エンゲージメントを高めます。
マーケターのデジタル力が、さらに必要

「Marketing 6.0: The Future Is Immersive」を、読むことで、今マーケティングの現場で何が必要かを、丁寧に考えることができました。一方、ますます、マーケティングでの、デジタル活用が進むことは、必然で、マーケターのデジタル力の強化が、重要なテーマであるとも思いました。
これからも、勉強は続けないとですね。
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