生成AIのプロンプトの沼は実に深い
前回の、「Google Colabで、Google Gemini(AI)のプログラミング解説、初心者用(#14)・Google AI Studioのサンプルを改良」では、Google AI Studioで、英語のプロンプトを日本語化して、プロンプトの有益性と、なんと言っても、プロンプトの奥の深さについて、体感しました。
Google AI fro DevelopersのPrompt galleryには、まだまだ参考になるサンプルのプロンプトがあるので、今回もそれを日本語化してみましょう。
Object Identifierを日本語化して、ついでに、「製品名」と「説明文」を出力させてみましょう。
今回の魔改造は「Object identifier」です。
さぁ、今回の魔改造の対象は、Google AI fro DevelopersのPrompt galleryのObject Identifierです。このパイプオルガンの絵をクリックして、早速プロンプトを覗きましょう。
このプロンプトは、画像について、説明文を推定させる生成AIのサンプルです。プロンプトは、プロンプト文が英語なら、通常英語で出力し、日本語のプロンプトなら、日本語で出力するので、このプロンプトを日本語化して、日本語用のプロンプトを作成しましょう。
まずは、Google AI Studioでプロンプトのコピーを作成
前回の「Google Colabで、Google Gemini(AI)のプログラミング解説、初心者用(#13)・Google AI Studioのサンプルを日本語化しよう」同様に、このプロンプトを自分で編集できるように、まずこのプロンプトをコピーしましょう。

Google AI fro DevelopersのPrompt galleryのObject Identifierを開けたら、上部に「Save a copy」というボタンがあるので、これを押しましょう。

このプロンプトが、自分の「My library」に加わり、プロンプトの名前が、「Copy of Object identifier」となっているので、この✏️マークを押して、タイトルと説明を変えておきましょう。

ここでは、
対象物推定
画像の対象物の説明文を推定させる
と入力しています。
Google AI Studioでプロンプトの日本語化
自分のライブラリーに日本語の名前で保存されたので、ここからは、何も気にすることなく、プロンプトを変えていきましょう。

一点、注意点は、このGoogle AI Studioのプロンプト編集画面は、自動保存ではないので、適宜、画面の上部の[Save]ボタンを押しながら進めましょう。
まずは、INPUT,OUTPUTの変数名を日本語にしましょう。

この画面のように、INPUT, OUTPUTの横に、初期段階では、Object, Description という英単語があるので、それを
名称
説明文
と、日本語にしましょう。なお、名称の横に「:」(コロン、半角文字)がありますが、これは重要なので、残しておきましょう。
次に、プロンプト「What object is this? Describe how it might be used」が英語なので、これを日本語にしましょう。

ここでは、
この「対象物」は何ですか?どのように使われるのかを、「説明文」に書いて下さい。
と入力しています。
最後に、サンプルの説明文が英語なので、これを日本語にしましょう。

ここでは、
これはパイプオルガンです。教会やコンサートホールなどの大きな建物で使われる大型の楽器です。大きさや形が異なるパイプが何本も並んでいます。オルガンのパイプは鍵盤上のキーを押すことで演奏できます。鍵盤が押されると、パイプの中に空気が送り込まれ、音が出ます。パイプオルガンの音色はとても力強く、様々な音楽を作り出すことができます。
これは日時計です。太陽の位置を利用して時間を知る装置です。日時計の表面は平らで、中央に穴が開いています。その穴に金属の棒を通し、北極星に向けます。棒の影が平らな時計板に写り、時刻を示ます。
としています。
ここまでで、準備完了。必ず、[Save]ボタンを押して、一度このプロンプト画面を閉じてから、再度このプロンプトを開けて下さい。
Google AI Studioの実行例
再度、この画面を開けたら、下部の[Run]ボタンを押してみましょう。私の場合は、以下のようになりました。

ECサイトの「ささげ」に使えるように改良しよう
このプロンプトを眺めていたら、ECサイトの「ささげ」に使えそうな気がしてきました。
ECサイトの「ささげ」とは、「撮影(さつえい)」「採寸(さいすん)」「原稿(げんこう)」の頭文字を1文字ずつ並べた造語です。ECサイトに掲載する商品画像や説明文、サイズ表記など、商品情報を作成することを目的とした業務を指す言葉です。
そこで、このプロンプトの出力(OUTPUT)を、「名称」と「説明文」に分ける改良をしてみましょう。
Google AI StudioのOUTPUT列を増やす
上部のサンプルの出力、OUTPUT列を増やしてみましょう。上部ある、Actionsというボタンを押すと、

Add output columnというメニューがあるので、これを押します。すると、一番右に、OUTPUTれるが増えます。この列に、「名称」を出力させたいのですが、位置が不自然なので、この列を左に動かします。

今、増やしたOUTPUT列の右に「3点」マークあるので、それを押すと、[Move column left]というメニューがあるので、これを選択します。そして、真ん中にできた、OUTPUT列の名前を、
名称
にします。これにより、サンプル列が以下のように変わるはずです。

これに合わせて、プロンプトの文を、「名称」を入れた指示に変更。さらに、サンプルの説明の「名称」の記述。「説明文」に「名称」が書かれているので、その削除を行います。

この「対象物」は何ですか? 「対象物」の名称を教えて下さい。また、どのように使われるのかを、「説明文」に書いて下さい。
パイプオルガン
日時計
さぁ、これで準備完了です。[Save]ボタンを押して実行しましょう。
Google AI Studioの実行例
私の場合は、以下のようになりました。

このまま、これがECサイトの「ささげ」の文章にはならないでしょうが、人が「0」から考えるよりは、生成AIが「0.5」程度まで考えてくれているので、少し楽になるかもしれませんね。
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